Windows 10 のサポート期限切れを見越して、1年ほど前から NAS のメンテ用 PC を Windows 10 から Lubuntu に順次入れ替えています。メンテ用 PC はその時たまたま手元にある古い PC を廃物利用しているので軽量な Lubuntu がぴったり。同時に、AnyDesk から RustDesk への切り替えも実施(AnyDesk の値上げがきっかけ)。
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以下、Lubuntu+RustDesk で NAS リモートメンテ用 PC を作る際のメモ。
前提
- RustDesk のサーバーは自前で立ち上げ済み(KAGOYA の VPS を使用)
- Lubuntu は 22.04 LTS を使用(2025年1月現在、古い PC でも安定して動作する)
- 64bit CPU の PC を使用
セットアップ
Lubuntu 22.04 の ISO をダウンロード
ページの下の方にある【Previous releases are here (being updated).】の【here】をクリックすると以前のリリース一覧ページが表示されるので、22.04 をたどって ISO をダウンロード。
ISO を USB メモリに書き込み
Rufus – 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます
ダウンロードした ISO ファイルを Rufus を使って USB メモリに書き込み。
USB メモリから起動して Lubuntu をインストール
今回インストールする PC は LIFEBOOK MH380/1A。懐かしのネットブックで一応 64bit CPU。メモリ 2GB に増設済み・SSD に換装済み。
電源ON → Enter キー → 起動メニュー で USB メモリから起動。
インストールは英語で進めていきます。日本語にするとホームディレクトリ内のディレクトリ名が日本語になってしまってキモいので(好みの問題)。タイムゾーンは Tokyo、キーボードは日本語を選択。
その他は適当に。インストールが完了したら指示に従って再起動。再起動後にすぐ更新を実施。ターミナルから以下のコマンドを実行。
$ sudo apt -y update $ sudo apt -y upgrade
終わったらもう一回再起動。
RustDesk クライアントのインストール
デフォルトでインストールされている Firefox を使って RustDesk のサイトを開く。
RustDesk: オープンソースのリモートデスクトップ – セルフホスティングサーバーソリューション
サイトトップの【ダウンロード】ボタンから最新版のダウンロードページに行けるので、【x86-64 (64-bit)】の【Ubuntu】→【Download】からパッケージをダウンロード。
ターミナルから以下のコマンドを実行。
$ sudo apt -y install curl libxdo3 $ sudo dpkg -i rustdesk-1.3.7-x86_64.deb
パッケージのインストール時にエラーになることがあります(原因不明)。その場合は以下のコマンドを実行。
$ sudo apt -y update $ sudo apt -y upgrade $ sudo apt -y --fix-broken install
RustDesk を apt で更新できるように GitHub にリポジトリを公開してくれている人がいる(多謝)ので追加。
GitHub – xlionjuan/rustdesk-apt-repo-latest: Unofficial RustDesk & server apt repo (latest)
$ curl -fsSL https://xlionjuan.github.io/rustdesk-apt-repo-latest/gpg.key | sudo gpg --yes --dearmor --output /usr/share/keyrings/xlion-repo.gpg $ curl -fsSl https://xlionjuan.github.io/rustdesk-apt-repo-latest/latest.sources | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/xlion-rustdesk-repo.sources
終わったら apt update, upgrade を実行してリポジトリが追加されていることを確認。
RustDesk クライアントの設定
RustDesk のウィンドウ右上ハンバーガーメニューから設定画面を開きます。
左のメニュー【Security】をクリックしてから【Unlock security settings】をクリック(パスワード入力を求められる)。
以下のように設定を変更。
- Permissions
- 【Enable audio】をオフ
- 【Enable TCP tunneling】をオフ
- 【Enable recording session】をオフ
- 【Enable remote configuration modification】をオン
- Password
- 【Use permanent password】を選択
- パスワード入力ダイアログが表示されるので、十分に長く複雑なパスワードを設定
設定画面を下にスクロール。
- Security
- 【Deny LAN discovery】をオフ
左のメニュー【Network】をクリックしてから【Unlock Network Settings】をクリック(パスワード入力を求められる)→【ID/Relay server】をクリック。
- 【ID server】にサーバー名または IP アドレスを入力
- 【Relay server】にサーバー名または IP アドレスを入力
- 【Key】に公開鍵を入力
※サーバーの /var/lib/rustdesk-server/id_<任意の文字列>.pub が公開鍵ファイル
【OK】をクリックしたらおしまい。Lubuntu を再起動して接続確認。
Lubuntu の設定もろもろ
動作テストも兼ねて、ここからは RustDesk 経由で操作します。
操作する側の RustDesk のキーボード設定を【レガシーモード】にしておいたほうが良い機種と【マップモード】のほうが良い機種がありますのでそのへんは適時選択。
日本語関連
ターミナルでのメッセージを日本語にしたい場合は日本語言語パックをインストール(※必要に応じて)。
$ sudo apt -y install language-pack-ja-base language-pack-ja $ echo 'export LANG=ja_JP.UTF-8' >> ~/.bashrc $ echo 'export LANGUAGE="ja_JP:ja"' >> ~/.bashrc
日本語入力のために Fcitx5 対応 Mozc をインストール。
$ sudo apt -y install fcitx5-mozc
一度ログアウトしてから再度ログイン。
【設定】メニューの【Fcitx5 設定】から【Input Method】タブの【Current Input Method:】に【Mozc】を追加。【OK】をクリックして閉じます。
これで 全角/半角 キーで日本語・英語入力が切り替わるようになります。
機種によっては 全角/半角 キーで切り替わらないことがありますが、その場合は Ctrl + Space で切り替えます(キーボード設定の【レガシーモード】【マップモード】が関係しているっぽい)。
スリープ無効化など
画面を閉じてもスリープしないようにするには /etc/systemd/logind.conf を編集。[Login]セクションの HandleLidSwitch を有効化して ignore に変更。
HandleLidSwitch=ignore
保存してから以下のコマンドを実行。
$ sudo systemctl restart systemd-logind.service
その他のスリープ抑止(一定時間未操作など)は GUI から設定可能。ついでにスクリーンセーバーも無効化しておきます。
全部終わったら Lubuntu を再起動して放置した後、RustDesk でアクセスできるか確認。
所感・注意点など
- RustDesk の接続を切る際は、画面ロックよりログアウトのほうがなぜか安定します。画面ロックしておくとアクセス不可能になったことが2台で各2回ほど(先方にお願いして強制電源断からの再起動が必要でした)。ログアウトしておくと今のところ大丈夫。
- Lubuntu は軽いとはいえ、Firefox で NAS の Web UI を使用+ターミナル程度の利用でも LIFEBOOK MH380/1A(Atom N475 + SSD)でギリギリ使える程度。もうちょっと CPU パワーのある PC のほうが快適に使えます。ThinkPad R500 (Core2Duo P8400 + SSD)や Lenovo G570(Core i5-2430M + HDD)だとそこそこ快適でした。